システム手帳の沼に少しずつ落とされた話

文房具の魅力に取り憑かれてもう何年も経つけれど、最近になってついに手を出したアイテムがある。

 

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Filofax original バイブルサイズ ピラーボックスレッド

買ったのは今年の5月。私自身の相棒として全てを閉じ込めたいと思って購入した。相棒と呼ぶにはまだまだの、成長過程のひよっこである。

 

元々システム手帳には全く興味がなかった。

それまで使用してきた手帳は、ほぼ日手帳トラベラーズノートジブン手帳等の綴じノートタイプが定番。

私の中ではそれが当たり前だったので、毎年秋に手帳フェアが始まってもシステム手帳コーナーは素通りするくらい、全く持って興味がなかったのである。

 

今思うとその理由も「甘いな」と言わざるを得ない。システム手帳のことなんて何も分かっちゃいなかった。

理由の1つ目は、カバーが地味であることだった。黒や茶色が主流で、当時20代の女性が持つには渋すぎると勝手に思っていた。今はマークスが女性向けのシステム手帳を販売しているが、当時は今ほどカバーの種類が豊富でなかったような気がする。

それと2つ目。どうしても6穴タイプの手帳=学生時代の手帳(カバーもビニールみたいなやつで、小学生の頃使っていた)のイメージが強く、改めてこの形を好んで使うことはないだろうと思っていた。

要するに、システム手帳のポテンシャルを何も知らずに勝手なイメージで私には不要なツールだと感じていたらしい。

 

そんな私が一体なぜ、どこでシステム手帳に興味を持ったのか。

 

3年ほど前、なんとなくインスタを覗いていたら、普段からよく見ていたインスタグラマーさんがシステム手帳を買ったというポストを見た。

その時に見たのが、Filofax originalだった。

シンプルな形と、重厚感はあるが地味じゃない、老若男女誰が持っていてもかっこよくハマりそうなデザインに、初めてときめいた。

 

もしかしたらこれなら使えるかもしれない。後先考えずピンときたらすぐに突っ走る私はすぐに色々調べてみたが、まず出てきたのは本体のお値段が15,000円ということ。そりゃあ、老舗のブランドだしそれくらいするだろう。なんならお安い方なのかもしれない。

冷静に考えよう。勢いで突っ走ったらこの場合後悔するかもしれない。この時は憧れで終わった。

 

その数ヶ月後、東京に行く用事があったため、空き時間を利用して銀座伊東屋に行ってみた。(今となっては、伊東屋に寄ることがお約束のパターンだったりする)

店内に入ったら、一度は惚れたが値段で冷静さを取り戻した憧れのFilofaxの特設コーナーができているではないか。すごい存在感ですぐに目を奪われた。

 

それでもやっぱり(当たり前だけど)お値段は15,000円。

美しい。これを手に取り使いこなしている自分を想像してみると気分がとても高まる。

 

しかしやはりどこかで、そんな自信はないことを自覚していた。

長年綴じノートタイプの手帳ばかり使っていたのだから、突然高級なシステム手帳を買ったところで使いこなせるわけがないと思っていた。

もし買ったところで、ほんの数ヶ月しか使わず部屋の飾りになってしまうくらいなら買わない方がいいに決まっている。

 

その時もまた、憧れで終わらせることにした。

 

それから1年程経った頃、知人がFilofaxのクリップブックを買った。

クリップブックとは、システム手帳の簡易版みたいなもので、リフィルはシステム手帳と同じ6穴タイプが使えるし、リングが大きいため綴じられる紙の量も多い。

システム手帳に比べたら安価なため、実験的に使用するのであればもってこいのアイテムだった。

私はシステム手帳が気になっているわけで、独特な形のクリップブックはイマイチ私の琴線に触れない。…とか言っておいて結局A5サイズに手を出すわけだけれども。

 

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何の捻りもないシンプルの極み(笑)

 

 クリップブックは基本家置きで、読書ノートやライフハックをまとめたりしている。あとはバーチカルのウィークリーを入れている。

 

クリップブックで「リフィルを使う」ということに慣れた今年の2月頃、またインスタを覗いていたら、IGTVでシステム手帳の中身をパラパラと紹介している動画を見つけた。スケジュールはもちろん、気になっている本や映画、見たいドラマリストやウィッシュリスト等が1冊の手帳にまとまっている動画を見て、これだと思った。

 

私が作りたいのは一元化された1つの手帳だ。

それまで様々な目的のノートを作りつつ、いざ読み返そうとするとどこに書いたのか見つからない。日常的に必要な情報だったり自分に関するデータをまとめる場所がない。

システム手帳ならまとめることができるのではないか。

 

ようやくシステム手帳を買う理由ができた私は、ついにFilofax original バイブルサイズを買うことを決めた。

長い!長かったここまで!!

色に関しては相当迷った。欲しい色があったがどこを見ても在庫なし。このご時世だし海外からの入荷を待つのは時間の無駄。欲しい時に買わないでどうする。

結果、第二希望のピラーボックスレッドにしたが、結果ものすごく綺麗なマットレッドですぐに気に入った。

 

毎日手帳を開いて、少しずつ育っていく相棒を眺めていることが今の楽しみだ。手帳というよりは「私だけの宝箱」を作っているような感覚かもしれない。

早いもので間もなく来年の手帳も次々ラインナップしてくる頃だけれど、どうかそこには惑わされず長く使える手帳になって欲しいと願うばかりだ。頑張ってくれ私よ。

 

 

定期的にこの相棒の話はしていくと思うけれど、今回は沼に落ちるまでの長い長い道のりをアップしてみました。